43日目・朝

「もしもし?」

「はいはい。おはよー」

「お母さん助けて。充電させて」

「充電って何さ」

「お母さんの声を聞いて、元気を充電しないと身がもたない」

「なーん、もう。大袈裟だね。ほら、がんばれー。がんばれがんばれー」

「ううう…」

「なしたんさ、もう。Hちゃんは子どもの時はよく泣いてたけど、小学校3年生くらいの時からはもう全然泣かなかったじゃない」

「それは、これまではお母さんがいたからだよ。泣く必要なんて全くないくらい、毎日元気がもらえてたんだ」

「そんな、お母さん何もしてないしょ」

「してたんだ。毎日、電話に出てくれたでしょ。

お母さんの声を聞くだけで、心の中はエネルギーが満タンになってたんだ」

「アハハ。そりゃあ、お母さんはHのこといつも元気に過ごせますようにって祈ってたからね」

「それがなくなって、心の中にあった温かいものが足りないんだ。心がスカスカですごく心細い」

「大丈夫だー。お母さん、これからもHのこと祈ってるから」

 

このあとすぐに眠気が襲ってきて、また眠りにつきました。