俺は…誰だ…?
ということはもうわからなくなってしまいました。
そもそもこの世界が現実であることも初めて認識したような感覚がある。
小学校に行った。中学校に行った。高校に行った。大学に行った。大学院に行った。
研究員になった。助教になった。講師になった。准教授になった。
でもすべてがバーチャルの世界だったように感じます。
僕は…お母さんといる時の自分が本体であって、
その他の自分は、上記に挙げた各種のステージにおいて、
ある種の役割を演じるプレイヤーでした。
心はどんな時もお母さんのそばにいました。
心は基本的にはお母さんのそばにあって、
肉体と頭脳だけが、小学校に行き、中学校に行き、やがて大学教員になりました。
お母さんといる時以外、心はほとんど動いていなかったんだろうと思います。
笑っている時も、演じていた。
周りの人の期待や呼びかけに反応して、動いていただけの…人形?
その間、心はお母さんの元で眠っていた。
心が居場所を失って、これまでバーチャルの世界だった社会が急に現実になってしまった。
感覚としては、夢と現実が入れ替わったような感覚です。
社会は夢で、お母さんが現実。
それが、急に変わってしまった。
社会が現実で、お母さんは夢になってしまった。
バーチャルとリアルが入れ替わってしまった。
ここはどこだ…? 私は誰だ…?