74日目・深夜

子どもの頃、よく公園で砂遊び、しますよね。砂を水で固めて、積み上げて、穴を開けて開通させて、トンネルを作って砂のお城、とか言うのでしょうか。

 

そういうのって、お母さんとやることから始まるんじゃないかなぁと思います。

 

1回1回積み上げて、作る砂のお城。積み上げて、穴を掘って、お母さんと手と手がつながったらトンネルが完成しました。

 

それが壊れちゃったんだよね。

 

お母さんと幸せを作り上げてきました。

 

小学校、中学校、高校、大学、大学院。ずっと支えてくれました。大学教員として、京都での一人暮らしをするようになって、群馬では大学教員としてのパーマネントの職を得ました。

 

今の私があるのは、お母さんにおかげ。教育したり研究したりできるのもお母さんのおかげ。お母さんが励ましてくれたからできたこと。お母さんが励ましてくれて、それを力に変えて頑張ったからできたこと。

 

その過程の中で、お母さんと過ごす時間こそが幸せになって行ったんだ。

 

お母さんと作り上げてきた幸せが、なくなってしまった。脆くも崩れ去ってしまった。

 

優しかったお母さんが、行方不明になっちゃった。

 

「もういいかい?」あれ?声が返ってこない。お母さん、どこー?

 

いない。おかしいよ。近くにいるはずだよ。捜索願い…出してもだめか…。