35日目・昼2

母を失うというのは、ガンガン来る。

 

世間の目を気にしたら、大の大人がこんなにお母さんお母さん、

毎日何を言っているんだ、と思われると思います。

しかし、そんなの気にしてはいられない。

心の中で暴れ回る絶望感が止められない。

 

いつか親を失うことは頭では誰でも知っている。

だけど、そこまで深く想像するのはしないんじゃないかと思います。

だって、怖いから。耐えられないから。僕もそうでした。嫌だから想像しませんでした。

 

それが来てしまった。

初めは心が麻痺していた。悲しい。苦しい。痛い。怖い。

どんどんと色々な感情が心の中で広がっていく。

 

楽しかったよ。お母さんと過ごした日々は。

色んな場所に一緒に行った。色んなものを一緒に食べて。

まだまだ楽しいこといっぱいできたじゃないか。

 

生きるって怖いなぁ。こんなにあっという間に消されてしまうんだからなぁ。

勘弁してくれよ。どうしてお母さんの生命を奪ったんだ。

余命を半分こしたかった。死ぬ時も一緒がよかった。