56日目・朝3

お母さんが死にました、って意味がわからないんだよね。

それって自分自分が死にましたって言っているようなもので。

 

裏を返せば、僕が生きているのだから、お母さんも生きているはず、となります。

お母さんがいるという大前提のもとで、僕の世界は作られていたわけです。

その大前提は、僕が生きているのであれば、生きているはず。

 

お母さんがいない世界。なにそれ? 経験したことがなくてわからないんですけど。

 

腰も曲がってない、ボケてもいない、まだいなくなるような年じゃないでしょうに。

事故みたいないなくなり方で、ありもしない世界に来てしまった感覚しかありません。

 

しかもそれがお母さんだというのだから受け入れられない。

幸せの根源なのだから。