23日目・夜

今年、最後の講義が終わりました。研究室に戻ると19時40分。

 

そこから、誰もいない建物で大声を出して泣きました。

 

「今年の授業、全部終わったよ」って報告したいのに、

お母さんは一体どこへ行ってしまったの?

明日から、家に帰れるよ。それなのに、どうしてお母さんは家にいないの?

もう、今からいくらでも泣いてもいい。

講義中は…仕事中は…泣けないから我慢してた。

もう、気持ちのままに泣いていい。

みんなが楽しそうにクリスマスを送るのに、みんなが楽しそうに年末年始を送るのに、

僕は毎日泣いて過ごすんだ。最悪のバッドエンドだよ。なんだこの2023年。ふざけるな。

大切なものを奪って終わっていくのか。

大切なものは、一生戻ってこないじゃないか。

人生の終わりだよ。死ぬまでお母さんに会えないなら、生きてる意味、ないよ。

神隠しにしか思えない。42年間、毎日、話ができたじゃん。

急に消えてしまった。23日経っても、ひどくなる一方だよ。

帰ってこないの? 声、2度と聞けないの?

 

「1年間、おつかれさま」って、声が聞きたい。

他の人から聞いてもダメなんだ。お母さんじゃなきゃダメなんだ。

俺のふるさと。そこにいなければ成立しないもの。それがお母さん。

心のふるさと。お母さん。

 

あーあーあー。終わり終わり。人生の終わり。

知らねーよ。こんな俺、お母さん見たくないって? どうせいないんじゃん。

 

あー。ヤケになってしまった。

わかってるよ。そんなわけにはいかないこと。

だけど、心がぐちゃぐちゃに変化しまくるんだ。

不安定もいいところ。明日の心もわからない。1時間後だってわからない。

 

お母さんだったら何て言うか。わからないよ。

ほとんど毎日、電話していたのに、わからないことだらけだよ。