出会えて良かった

私の心は永き眠りに付くはずでした。
しかし何があったというのでしょう。
私の心は満たされつつあるのです。


私は, その夢のために長い間生きてきました。
その夢のためにあらゆる困難を乗り越える事ができました。
私が手に入れたものは数多くあります。
JP, PT, A の3つの資格を手に入れ, それらは大きな飛躍となりました。
Cz にも Po にも恐怖を乗り越えて進む事ができました。
また Pr の数などすべて記憶するのが困難なほどの数です。
The 4th, 5th, 6th, 7th, 8th P。これらはすべてその夢の実現のために私が得たものです。
また, その夢のために力をつけようと, はじめて 100 を越え, いま私の記録はまだ伸びる可能性があるのです。
こうして得てきたすべてのものは, その夢の実現を真に願っていたからこそ成し遂げる事ができたものです。
中途半端な夢ではなく, 本当に大切な夢だったからこそ, 成し遂げる事ができたのです。
また, 夢が叶わなくなる最後の瞬間のひとつ前まで, その夢には責任を持つ事ができました。
責任のない幻想から, 長い間その夢を守り続ける事ができました。


私の心は満たされつつあるのです。
時に思い出に浸り, 失われた夢の事を愛しく思うこともあるでしょう。
しかし, 私には夢があったのです。確かに夢があったのです。
素晴らしい夢でした。美しい夢でした。そんな夢を私は持つ事ができたのです。
夢のために生き, その途中で手にしてきたものはすべて私の誇りです。


暗闇の中で, 私は鏡を見ました。その鏡に映し出された私の姿を見て思いました。
私には, まだ成すべき事がある。こうして暗闇に包まれ, 眠る事の他に成すべき事がある。
夢と共に生きる日々が終わっても, 私が成すべき事に終わりはない!
心の闇を打ち砕き, 世界に光をもたらす使命のために, 私は私の道を進む!
夢のために生きることを捨て, 使命のために生きるのだ!


わが師はいつも「夢を持て」と私に語りかけた。
しかし, 私は夢を失った時の対処方法については教わった事がなかった。
その夢のために力を使えば使うほど, 叶わなかった時の苦しみは大きいはずなのに,
なぜわが師はその対処方法について教えようとはしなかったのか。
だが, それは本来問題にならないのかもしれない。
夢のためにすべての力を使う事ができたなら,
何度苦しみに心が包まれようとも, 何度悲しみに心が壊されそうになろうとも,
心には既に, 苦しみや悲しみに打ち勝つ強い思い出が宿っているのだから。
だから, 苦しみよ, 悲しみよ, ひとつ残らず私の心を包め! 
私の思い出と使命…叶わなかった夢への未練と幻想…。これはどちらが勝つかの勝負なんだ。



まだすべての思いを断ち切ることはできてはいないが,
私は無意識のうちに使命のために身体が動いたのだ。不思議な感覚だった。
夢の支えをなくしても, その夢のために生きた記憶が私の心を前へと進ませた。
未来が…待っているのなら…私は…。



それにひとつ忘れている事がある。私の夢はちゃんと叶っていた部分もあったのだ。
そのことを思えばちゃんと思えるよ。最後まで叶わなかったけれど, あの夢に出会えて, 本当に良かった。