孤独

孤独、というのは辛いものなのでしょうか。
僕にとっては孤独の時間は数学をやるために必要な時間で、なければならないものです。
孤独の時間がなくなれば、研究は全く進まなくなってしまいます。
そういう意味では、人間関係は必要最低限にしておきたいなという気持ちは間違いなくあります。
あるいは、誰に存在を悟られることなく、道に転がる石ころのように息を潜めて生き、
ただひたむきに自分の仕事に打ち込むことこそが我が人生であって、
光の世界は少し居心地が悪いのが正直な気持ちです。
研究は、闇の世界です。わからないこと。謎に包まれていること。
それが当たり前で、ありふれた光景で、いつも近くに謎がある。
わからないことがわかったら、またわからないことがある世界へ飛び立ちます。
わかっている世界に長く居続けることはしません。だから、常に何かがわからないのです。
人間関係が増えると、わからないことをわかることに変えていく時間が足りなくなります。
だからできるだけ最小限にしておきたいのです。


Facebook に知らない人から友達申請が来ました。
おそらく教えている学生だと思うのですが、
一度も話したことがないのに友達申請をしてくることに対しての理解に苦しみます。
僕はどこにも存在していないくらいに思われる方がいいんだけどな。


友達100人できるかな、100人で食べたいな、富士山の上でおにぎりを。


なんて歌がありますが、本当にそんな風に感じるか? 僕は最小限で十分です。
孤独は幸せだぞ。
完全な孤独は辛いかもしれないけれど、ごちゃごちゃに巻き込まれるのは勘弁願いたい。
死んだと思われているくらいがちょうどいいんだ。
亡霊…あこがれるな…。ファントムな数学者になれないものか。
数学の世界で生きるためには、現実の世界で生きてはダメなんだ。没頭が薄れる。
そこまで仕事しなくても、とか、仕事人間、とか言われる時もありますが、
もう研究は仕事でやっているのではないんです。
使命…なんだよ。命の意味に変わったんだ。
ご飯を食べることや眠ることは、すべて闇の世界に光をもたらすためにある。