大いなる闇

心に大いなる闇が巣食い始めている…。
おそらく、明日1日頑張れば今書いている論文が完成するでしょう。
しかしそれは他のやらなければならないことを犠牲にした完成でした。
本来なら喜ぶべき完成が、なんだか闇に包まれ始めてきてしまいました。
心が…痛い…。胸の奥がピリピリする…。いま着実に闇に心が食われているんだ。
結構頑張ったんだけどな…。全力で戦ったはずだったのに、こんな結果になるとはな。
やらなければならないことを一掃する時間が必要です。
でも…心の奥には早く次の研究がしたい気持ちが輝いているんだ。
だってやればやっただけいま成果が出るんだぞ…。
その輝きが、大いなる闇に食われている。光が闇に食われている…。
試したいアイディアだってあるというのに、このまま波に乗らせてはくれないのか。
犠牲…。痛みなくして得るものなし。No pain, no gain.
犠牲のおかげでまもなく論文が完成する。
それは事実だけれど果たして良かったことなんだろうか。
良かったんなら、こんなに心は痛まないよな…。はぁ…。
時間を…くれ…。俺に…研究する時間を与えてくれ…。
ブラックカレンダー計画だけではすべての仕事がこなせない。
なんだ。結局は敗北の物語か? ふざけるな。俺の心は渡さない。
ただ、このままでは状況の悪化は止まらない。
むしろこれ以上の被害を出さないことが先決なのかもしれません。
目の前にある闇を倒さなければ、結局は問題は解決しないんだ。敗北を認めるしかない。
目の前に闇があることを認めなければならない。まだ小さいうちに消すことを考えよう。
なんていうのかな。研究に夢中になっていて、
心をそちらに使っている間に無防備になっている留守を狙われた感じかな。
だが闇は闇だ。心を食い荒らされている以上、それは見過ごすことはできん。
いま最も倒すべき相手、なのかもしれません。
それこそあと1日あれば完成するであろう論文を無視してでも。
でもここまで来てしまっている以上、論文は完成させます。
ただ、その間に心が食い荒らされ続けるのはもう避けたい。
となると、もう防御戦に向かった方が良さそうです。被害を最小限に食い止めるんだ。