危険なビーナス

東野圭吾さんの「危険なビーナス」を読み終えました。
大学の図書館で借りて1ヶ月くらい非常勤講師の職場に向かう電車の中で読んでいました。


今回はリーマン予想解決に結びつくかもしれない神秘の能力を巡った事件でした。
フラクタルやウラムの螺旋などの数学用語も出てきていましたね。


個人的には、そんな神秘の能力に頼ってまで数学の結果を残したいとは思わないかなぁ。
数学の問題を解くときに、直感は使うものであるのには間違いないけれど、
その直感を得るために争いを招いたんじゃ元も子もない。
だからこそ、数学者としては不完全、ということになるんだろうけど。
直感を使ったり論理に頼ったり、手法はどうあれ、数学は幸せになるための活動です。


話は面白く、謎が解けていくときのクライマックス感は良かったと思います。
ただ、伯郎と楓以外の人物の印象が少し弱かったかなと思います。
週1ペースで読んでいたせいもありますが、親戚一同が把握しづらかったです。


タイトルの危険なビーナスは楓のことでいいのかな。
ラプラスの魔女の時はタイトルは的確だと思いましたが、
危険なビーナスは、読み終えて「え? そうかな? そうかも?」くらいの感じでした。
伯郎と楓のその後が期待できるエンディングになったのは良かったです。