ユダヤ人大富豪の教え

友人の数回にわたる勧めで
ユダヤ人大富豪の教え』(本田健 著,だいわ文庫)
という本を読んでみました。
本書は昨年の9月17日にブックオフにて無料券を使って購入したのですが,
しばらく積んであってようやく年を超えてから読みました。


副題は「幸せな金持ちになる17の秘訣」となっており,
著者の本田健さんが20歳の時にアメリカで出会ったユダヤ人の大富豪ゲラー氏の元で学んだ
「お金持ちになるために秘訣」について書かれた本,という形に一応はなっています。
が,これは,「お金持ちになるために」ということを真の目的にした本ではないと思います。
あることをしていたら自然にお金持ちになってしまったゲラー氏の体験談,とでも言えばいいのでしょうか。
その「あること」とは,自分にとっての幸せや豊かさとは何かを追求し,
「周りの人を大切にする」「自分の理想をイメージする」といった事柄に対する大切さを説いたものでした。


しかし,とりあえず思ったのは著者の本田さんは20歳の若さで
ここまで英語で意思疎通ができるのはすごいなということです。
そんな本書の論点とはずれた感想を抱きつつ,
自分にとっての幸せや豊かさとは何かを考えさせられました。


考えて,僕の机の上ある,数学の本が9冊,読みかけの論文,そして計算用紙に目が行きました。
結局,そういうことなのではないかと思います。
解析学の定理のいくつかで,「ああこれは本当にすごいな」と思うものに出会えたら,
それはとても幸せなことだと思います。
自分にとっての豊かさとは,数学に触れていられることから生まれてくると考えられます。


本書では「幸せなお金の使い方をするとよい」ということについても書かれています。
食事が自分自身を作るのだから,健康的な食生活をするのは大切なことだという様なことも書いてあります。
2012年は食事にお金をかけて,数学を楽しみ,
日本国憲法25条にあるように健康で文化的な生活を送りたいと思います。


ゲラー氏は「光があたると必ず影ができるのは,自然の摂理といえよう」とも言っています。
光と闇は,いままでの人生の中で何度も身近に感じてきました。
物語後半,実話なのでクライマックスという表現が正しいのかわかりませんが,
ゲラー氏の言葉にはとても感銘を受けました。
まるで人生の攻略法を語る老人さながらの強いメッセージ性を秘めているように感じました。
冒険物語を読んだような感覚にもさせてもらえています。