アメリカン航空の機内食でもらったおつまみがある。
あとは冷蔵庫に昆布があるからこれでも食べるか。
研究室にカップめんとか置いておかないとダメだなぁ。
明日の11時になれば出前のピザを頼めると思うので,
今晩の飢えをとりあえず凌ぎますか。
お金だけあっても買いに行けなかったら飢え死にしてしまいます。
この記憶は深く心に刻み,教訓を得なければならない。
私はまだ若い。立てなくなった2年前のぎっくり腰と比べると,
今回は座って背もたれに寄りかかっている状態での痛みはないわけだから,
3日以内には治るであろう。しかし,人はやがて老いていく。
老いて一人で立てなくなってしまったとき,
食べ物が底を付いたらどうなってしまうのだろう。
お金があるうちはまだいいでしょう。
それこそ宅配ピザで飢えを凌ぐことが可能です。
では,お金が底を付いたら…それはもう死ぬしかないわけですよね。
餓死というやつですわ。退職すればもう誰にも会わない生活が続くでしょう。
孤独と飢え,寂しさ,寒さ。次第に意識は遠のくわけですか。
どんなに論文を書いたって,死なないようにはできません。
むしろ身体を酷使すれば,使えなくなる状態にだってなりかねない。
わかってはいたんだ。健康が一番大事なこと。
だけどやめられなかったブラックカレンダー計画。
この計画は,反面教師だったんです。巻き込まれたくなかった。
20年も論文を書いていない教授,アルバイトばかりで勉強しない学生。
俺はそうなりたくなかった。環境に巻き込まれそうな気がして怖くなった。
だから,俺はブラックカレンダー士となった。
7月が終わった現段階で,72日のお休みを60日仕事に費やした。
論文は既に今年2本目を投稿しています。3倍の勢力を保っていた。
研究者としてはそれほど珍しいことでもないんだけれど。
ファイナルファンタジー的要素があったからそれなりに楽しめてもいましたし。
でも心の奥底には,環境に溶けてはいけないという思いが強くありました。
業績を増やして,逃げ出す準備を整えていたんだ。
ブラックポイント100ポイントにも興味はあるので,
一度決めたからには頑張ってみたいと思いますけれど,一応,
心の中をのぞかせておくくらいのことはしてみました。
こんなときに奥さんとかいたらいいなぁ。