「おおっと。この先休みなしだぜ」
「苦しいか?」
「全然。俺はいま状況を楽しんでいるんだ」
「あんたとは意見が合いそうだ…行くぞ!」
「呼んでいる…あの時と同じで違った未来…」
「あんたも成長したな」
「成長なんて…してないよ」
「景色が違って見えるんだろ? そりゃ前より大人になったってことさ」
「お前は力を何に捧げる…?」
「すべての力を…あれ?何のためだっけ?」
「愚か者め。闇に飲まれろ」
「大切なのは使命。命を捧げてでもなすべきこと…」
「お前は既に飲み込まれている。光という名の闇に」
「なんだって?」
「気づかなかったか? お前は見失っているものがあるんだよ」
「周りのことは気にするな。お前はお前の夢を追いかけろ」
「世の中って大体くだらないよね…」
「そうだ。世の中、意味のないもので溢れている。
お前の使命の方がよっぽど大切なことだ。巻き込まれるなよ…」
「頑張ればいいんだよ。何度も言ってるだろ?
大体さ、大事なものって人それぞれなんだしさ、興味がないものは興味がなくていいんだぜ?
あんたが望むこと、思い通りにやればいいだ。人の目なんてどーだっていいんだよ。
あんたの人生だ。あんたの好きにすればいい」
「この辺で夢をはっきりさせておいた方がいいぞ。
何でも頑張るなんてのは、まぁできりゃいいけどよ。
大抵の人間は、自分の本当に守りたいものを力いっぱい守り抜いいくので精一杯なんじゃないか?」
「だったら俺の夢は…」
「簡単さ。なきゃないでいいもんは、どんどん捨てて行くんだ。
その…なんだ。シャーロックホームズってやつの推理のやり方と同んなじだ。
そしてこいつは捨てたくないってのがあんたの大切なもんだ。
それが見つかったらよ、そいつをもっともっと大事のするのがあんたの夢だ」
「心に闇がないのは大問題だ。夢を持て。大きな夢を持て。使命をしっかりと心に宿せ。
そうすれば、なすべきことが見え、自分の未熟さを知るだろう。
その闇の中でもがき苦しまなければならない。それは夢を追いかける幸せなのだ。
心は闇を求めている。闇を持つことが心にとっては幸せなのだ。
闇こそが、夢を保持することの証であり、闇無き心に価値などない」
「俺…正直、闇はもういいかって思ってた…。でもいつだって未来はこれから…なんだよな」
「そうさ。くだらない世の中の相手をしているほど、俺たちは暇じゃない。
俺たちが幸せだと思える未来に無関係なこととは関わり合いにならない方がいい」
「さぁ、闇を称えよう。我らの未来は闇を光に変えることから生まれるんだ!
闇に栄光あれ。未来の卵に栄光あれ。ハッピー•ダークネス!」
「結局、光と闇のどっちが大切なんだよ? 闇を光に変え尽くしたら、もう心に闇はないってことだってありえるだろ?」
「現状に満足するなど、哀れだな」