またか

1年前同様、科研費の申請ファイルをこれから応募する人のために学内で公開してもいいですか、
と言ってきました。大学の事務が。これ、嫌なんですよねー。
科研費は国民の税金でまかなわれているものなので、
申請ファイルを一般に公開するのが嫌というのではありません。
採用されている人の申請ファイルを見て自分の申請ファイルを作ろう、
という根性が嫌なんです。
去年は無視したんですが、今年は返信がなければ了解したものとします、とか言ってきました。
対策を打ってきましたね。全く、うちの大学は情けないです。
科研費の申請ファイルは人のファイルを見ながら作るようなものではないと思うのですが。
自分で自分なりのスタイルで作れよ、と思います。
うちの大学は科研費の採択率が低いのです。なので、採択されている人の文章を参考にして、
もっと採択率を上げましょうという運動なのでしょうが。
採択率が低いのは何となくわかりますね。教育と会議に力をいれすぎて研究にあまり気を配ってないんですもん。
しかも、毎年そこそこの研究費が自動的に当てがわれるものだから、
別に努力しなくてもいい環境を整えられる人もいます。ハングリー精神がありません。
採択率を上げるには、身を削って研究するのが大切で、
採択されている人の申請ファイルを参考にしてうまく行くようなものではないと思います。
研究者に研究のための時間を確保させることが、採択率アップにつながるんじゃないでしょうか。
無駄な仕事をやめること、学生の面倒は見過ぎないこと、会議は手短に済ませること。
研究しましょうよ、みなさん、とは下っ端は言えません。


それはともかく、この件について閲覧を拒絶するのは適当なのでしょうか。
納得できない以上、拒絶するのは筋だと思いますが、
ここは黙って受け入れる、というのが良いのだと思います。
つまり、次のように解釈するわけです。
うちの大学は、科研費の申請ファイルは人のものを見て書けばいいと思っている愚か者である、と。
おそらく、拒絶すればなぜ拒絶するのか聞かれることもあるだろうし、非協力的であると解釈されかねません。
そうなると、そういう目で見る人は敵にまわすことになるし、研究時間を減らすことになりかねません。
うちの大学の学生は、期末試験は過去問を見て勉強するものだと思っている人が多すぎます。
教員もそれに合わせて過去問とほぼ同様の問題を期末試験に出題します。
科研費の申請ファイルを、採択されている他の研究者の申請ファイルを見て作ったら、
それは過去問を見て期末試験の勉強をして、過去問と違う問題が出たら問題が解けなくなる学生と、
やっていることはかわらないと思います。
科研費の申請ファイルをどうして人のものを見て書かなければならないのでしょうか。
もし、自分の研究のテーマ、意義、位置付け、今後の研究計画などにビジョンがしっかりしていれば、
本来自分の申請ファイルは自然に埋まって行くものです。
人のものを参考にすれば採択率が上がると思っている上層部とは考えが合いませんな。
バカすぎて嫌になる…。けど、ワーワー言うほど僕は暇ではありません。
科研費を申請した時の研究課題を進めることと充実した講義を展開するために資料作りに身を捧げているからです。
ただ、どうしても気持ちが収まらないからブログでグチって世の中にだけ訴えています。