多項式

勤務先の大学で教えていて,多項式のことを誤解している人がやたらいます。
これはいまに気付いたことではないのですが,またしても実感する場面があったので一応記録。
例えば,sin x+cos x を多項式だと思っている人がものすごくたくさんいるんです。
理由を聞くと「項がたくさんあるからだ」と。うーん。
多項式や単項式を習うのは中学校のはずですが、どういった教え方がされているんでしょうか?
1変数の多項式a_0 x^n+a_1x^{n-1}+\cdots+a_{n}, \quad a_0\not=0の形のものに限りますが,
これは定義なのでしょうか。大学数学では、これが定義のような気がします。
では、中学校における単項式の定義は?
辞書的には単項式は「文字と数字の積として表されたもの」ということなので,
数学における「文字」の定義とはなんなのでしょう?という話になりますよね。


sin x は文字ではない,ということが言えれば,
sin x が多項式でも単項式でもないことを証明できたことになるんだと思います。
文字でなければなんなのか。文字列? x は文字ですが,
sin x は文字ではない(そうでなければ sin x が多項式に含まれてしまいます)。
sin x は関数だから文字ではないというのはちなみに×。だって, x^n だって関数と思えるじゃないか。



あれ? そうなると,sin x が多項式でも単項式でもないことを「証明」するのってどうやるの?
やっぱり,多項式a_0 x^n+a_1x^{n-1}+\cdots+a_{n}, \quad a_0\not=0の形のもの,として定義してしまった方がいいような気がしますね。
まぁ sin x はs × i × n × x ではないから文字の積ではないので、sin x は単項式ではない、でもいいのかな?
文字と文字列を区別した方がいいのかも。