「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海(著),ダイヤモンド社)読了。
感動しました。ご存知、主人公がドラッカーの『マネジメント』にある記述の意味を考え,
自分たちの境遇に適応させていくことで甲子園出場を目指す話で,とても面白かったです。
『マネジメント』は何も企業の為だけにあるのではなく,
目標達成のためのプロセスとして幅広い適応範囲があるという事を訴えているお話です。
野球はついでというか,読み手の皆さんも自分の境遇に当てはめて考えてくださいね,
というメッセージが感じられました。
内容は野球のことが全く分からなくても感動できるお話でした。
付箋をいっぱい貼り付けて,いろいろ考えながら読んでいました。
前半はお勉強モード,という感じですが,
後半の,特に準決勝戦〜決勝戦にかけてのストーリー展開には
泣かされてしまいました。
「自らのアウトプットは他者へのインプットでなければならない」
というのは数学者にも当てはまると思います。
「研究者にとっての『顧客』とは何か?」
「数学者が社会に役立つためには何をしなければならないか?」
などを考えながら読むことができました。
そういう意味でためになったと思います。
数学者は数学の世界を発展させていく義務がありますが,
その際の『顧客』は発展的な数学を享受する人たち全員ということになりますから,
その人たちに役に立つことを意識して数学をやらなければならないと考えられます。
数学の体系的な知識を保持することは文化の継承という意味で重要なことであり,
それはグローバルなサイズで社会に役立つことになるので,常に勉強し続けなければなりません。
また,工学的な立場からも数学の需要は高まっているので,
教育によって数学の知識を学生に植え付けることも社会に役立つことであると考えられます。
数学の世界に触れることで幸せを感じることができるような環境を作ることが求められている気がしますね。