春の香り

昨日は1月なのにとても暖かい日でした。
天気予報によれば,4月の初めの陽気なんだそうです。
真冬に紛れ込んだこの春の陽気は,
風に乗って何か懐かしいものを運んできたような気がしています。
それと同時にとても物悲しい思いも感じていて,不思議な気持ちです。
4月といえば,新しい生活に対する期待と不安を感じる季節ですよね。
これまで仲の良かった仲間たちと境遇が変わって,寂しく思った気持ち。
そして,これまで何度も勉強し続けて行くことの方を選び続けて進んできたこの道も,
期待も不安もどちらも抱えたままでしたからね。
今年の4月からは10年通い続けた大学を離れて,
新しい大学で研究をしていく事になるので,
今年の春はひとつの節目に当たるわけで,
少し早めに運ばれてきたこの春に似た空気が
心の中に仕舞い込まれた気持ちを引き出しかけているんでしょうね。
まだ1月だから,またすぐに寒くなって,
ひとつの冬をちゃんと乗り越えてから春になっていくと決まっているのですが,
ちょっと早い春は,春の香りが好きだって気付かせてくれました。
花粉症がきついから4月はちょっと嫌だなぁなんて昨日までは思っていましたが,
今は新しい春の香りを嗅ぐのが待ち遠しいです。
例えそれが独りぼっちになる日だとしても,次のステップが待っているのなら。
ただもっと,別の気持ちを思い出そうとしているような気もします。
それはきっと心が覚えていて,記憶が忘れてしまったものだと思うんです。
さぁそれは何だったでしょう。早くその気持ちに会いたいな。