話がしたかった

院生になったときからお世話になっていた先生が亡くなってしまいました。
先生は来年度が定年退職で、僕の大学院卒業と同じ年度だから、「一緒に大学を出ましょうね」なんて話していたのに…。
帰る方向も途中まで1時間くらい同じだったので、ときには帰りをご一緒させていただいたこともありました。
「ここから見える夜景が好きなんだ」とかよくお話されていました。
せめて、Gに採用されたことを報告したかったです。きっと、「これからも頑張るぞ」と思えるような緊張感のある言葉をくれたと思うから。
突然逝ってしまわれるなんて…そんな…。ずっといて欲しかった先生でした。
数学的な知識ではなくて、何かこう、道しるべになるような助言を下さった先生でした。
また「こんにちは」って言いたかった。「戻ってきてくれて嬉しいです」って言葉、準備して待ってたのに、帰ってこなくなってしまった…。
「だって約束したじゃないですか。"一緒に大学を出ましょうね"って」。もう…言えないのか…。
もっとたくさんお話をしたかったです。時間が勝手に環境を変えていく。早すぎるよ…。現実は辛いな。
初めて声をかけてくださったのは、「そんな暗いところで勉強してたら目を悪くするぞ。電気をつけてやれ。」だったかな。
そういえば、『例のあの期間』、「成果を上げなければ食事を取ることも許されない」と分離した「もうひとりの自分」と戦っていた頃、
「そんなふうに思う必要はない」と言ってくれたのも先生だったのを思い出しました。何も恩返しできなかったなぁ。
卒業式の日、先生に「無事卒業しましたよ」って言うの、楽しみにしてたのに。
でもまぁそんなふうに思ったら自分勝手か。先生は数学の世界を命を懸けて生きて、この世界を発展させ、天命を全うされたんだと思うことにします。


ご冥福、お祈り致します。