論理に負けた心

■静けさを目指して
「思い出の中にいる自分にすら勝てないんだ。
だから、きっとチャンスが来ても、また同じ論理に辿り着く」
「それならまだ、来なくていい。そこで眠り続ければいい」
「結局、倒すしかないだろ? あいつよりも強くなるしかないだろ?」
「そう。あのとき、気持ちが論理に負けたんだ」
「論理に認めてもらえなかった気持ち」
「いけないことなんでしょうか?」
「すごくショックだったんだ。おかげで、思い出すのが怖くなってしまってる」
「困っちゃうね。無駄なことに時間を使うのってどうしてこんなに楽しいんだろうね?」
「ねぇ、原動力として、使ってもいい?」「使ってもいいけど、使わないほうがいいと思う。どっちにしても慎重にね」
「じゃあ、これだけ教えて。強くなったら、いいの? …してもいいの?」
「強くなるまで、…しちゃダメ。なぜなら…」「いくら心で願っても無駄さ。論理にはかなわない」
「強くなる前に欲しくなっちゃったら、それは我慢しなくちゃ」「わかった。がんばる。」
「でも、質問。『思い出に勝てない』ってホント?」