Memories

■2006年
2006年を振り返ってみると、それは自分にとって、
手に入れる代わりに失い、そして失う代わりに手に入れた1年間だったような気がします。
たくさんのものを失い、そしてたくさんのものを手に入れた。そんな1年間だったかな。
自分が変わってきていることに自分が気が付くことができるくらいに、
心の中で様々なものが、生まれたり、消えたり、入れ替わったりしました。
何より、楽しかったです。心の模様替えが始まってから、毎日がとても楽しかったです。
Memories Note (自分の本当の名前が書ける日記)を通して自分の心の声が聞けるのが楽しかった。
だから、長い間時間が動かなくなっていた世界に時間の概念を呼び戻し、
【例のあの期間】で分離した心を再び束ねてくれたあの思い出には本当に感謝しなくてはなりません。
長い間時間が動かなくなっていた分を取り戻すような勢いで、
あまりにも急激に時間が流れたために心を整理整頓することが必要になりましたが、それも楽しかった。


4月に【例のあの期間】についての真相を語った時、実は全ての謎が語られたわけではありませんでした。
【例のあの期間】、心は2つに引き裂かれた。
開いている扉の向こうに進むことができない弱い心。
弱い心は、扉の向こうの世界から溢れ出してくるあまりにも強すぎる光を恐れた。
そして、その光を浴び続けることで生まれる心の影が闇を生み出した。
ただ、その闇から逃げるために光を利用するわけにはいかなかった。
原因は、その扉を開く戦いの中で、自分の心には甘えがあったから。
だから、甘えた心の持ち主は、光にも闇にも進むことはできない。進むことは許されない。
心は光とも闇とも戦う道を選んだ。そうしなければならなかった。
ただ開いているだけの扉を、望んで開いた扉に変えるために。


2006年4月。【例のあの期間】は終わったかのように思えた。しかし、ひとつ疑問が残った。
光と闇に分離した心がそう簡単に元通りになるのか。
闇は自分自身を打ち倒すために、光は自分自身を守るために、別々の意思を持って時を過ごした。
異なる成長を遂げた異質なものが、自然に融合することはできるのか。
できなかった。そして、この言葉を生み出した。
『これから進む道がもし闇でしかないのなら、俺自身が光となってその闇を照らしてやる』
恐れていたんだ。再び、光を恐れて前に進むことができなくなる場面が訪れることを。


その心を暖かく包んでくれたのが、思い出だった。


『いやだもん! 頑張るもん! 
頑張って、いつか未来の自分がいまの自分のこと、思い出してくれるときに、
「僕はこんなに頑張ってるんだぞー!」って言いたいもん! 
そうやって叫んでる姿、見せてあげたいもん!』


ゴールに辿り着いたときに見ている夢はきっといまの夢とは違うと思うんだ。
だから、『ゴールに辿り着いたときにだけ見られる新しい夢が見たい!』


強すぎる光を恐れて前に進めなくなるのは、
一生懸命頑張った思い出をきちんと心に刻み込んでおかなかったから。
例えどれだけ頑張ったとしても、心が覚えていなければ、記憶していないのと同じ。
頑張ったのかどうかその都度ちゃんと記憶を探り当てて見つけることができれば、
光を恐れることはなくなるはず。光を恐れて立ち止まることがなくなれば、闇もまた生まれない。
だから、整理しておかなければならないんだ。心の中の思い出を。
いつでも取り出して、勇気付けることができるように。
思い出は、新しい思い出を作る。その意味を持った言葉が、いまのメールアドレスには刻まれています。